膝を曲げると外側が痛い場合、よくある原因の一つに腸脛じん帯炎というものがあります。
立った状態で太ももの外側を触ると太もも全体を縦に走る、ベルトのようなスジを触れます。(筋肉のように柔らかくないので慎重に触れば分かると思います)これが腸脛じん帯で、このじん帯は、腰骨からスネの骨の一番上の外側までの長い距離を結んでいます。
股関節と膝関節を超えて、骨盤とスネの骨を結んでいるということです。
腸脛じん帯炎の治療として、安静、ストレッチ、鍼灸やマッサージ治療、ランニングフォームの改善など、さまざま言われていますが、これら全てをやるよりも先にチェックするべきことがあります。
場合によってはこれが改善への最短距離ともなりえます。
腸脛じん帯に負担の掛かりやすい体型として、挙げられるのがO脚です。
O脚では、Oの字の外周に当たる腸脛じん帯は伸ばされることになります。
伸ばされるとじん帯は緩みがなくなり、膝の曲げ伸ばしで膝の外側の骨に強くこすられて、痛みを起こします。膝を曲げると膝の外側が痛む人は、この腸脛靭帯が炎症を起こしていることが多くあります。
O脚の人は、靴の外側が磨り減りやすいです。
靴の外側が磨り減ると、足は外側に傾きやすくなり、ますますO脚を強めることにつながります。
ですから、ほかの治療を行うよりも先に腸脛じん帯炎と思われる人が行わなくてはいけないのは、靴の底のチェックです。
靴の底を見てください。外側が減っていませんか?
修理ができる靴であれば、すぐに踵の交換をしましょう。
修理ができない靴であれば、靴の上側(アッパー)がどんなにきれいでも、買い換えることをお勧めします。
靴底が斜めに減った靴の底を平らに直すだけで、膝の外側へのストレスは驚くほど軽減されます。
ランナーズニー(又はランナー膝)とも呼ばれるくらいランナーに起こりやすいとされる腸脛じん帯炎は、対処法としてフォームの改善が挙げられますが、斜めになった靴では、フォームを改善しようにもうまくいきません。
走り方によっては踵の外側の減りが早く、底が減ってしまっていても、アッパーがまだきれいに感じる人もいるかもしれません。
そんな場合でも、心を鬼にしてその靴はあきらめましょう。
新しいシューズの購入をお勧めします。もしも、こまめな買い替えを躊躇するような高いランニングシューズをはいている場合、交換しやすいような価格のものを選択してください。
高額で高機能なシューズを、斜めになっても履き続けるより、低価格のシューズでも平らな状態を保てるほうが、腸脛じん帯に痛みがある人には価値がありますよ。