最近履いていると指の付け根が痛くなるパンプスを、修理したら痛くなくなりますか?という相談がありました

履きやすいと思っていたパンプスが、だんだんと指の付け根に痛みが出てきてしまうことを経験したことのある女性は多いのではないでしょうか。

そんな中で、靴の底が以前より薄くなったと感じるので、修理したら痛く無くなるでしょうか?という相談がありました。以前に修理に出したけれど痛みが変わらなかったことがあったそうです。

同じ状況でいくつか原因が考えられるのですが、先日相談があった方の例をご紹介しましょう。

何が起こっているのか説明1

靴の底を見てみると、確かに減っています。

単に減っていると思うかもしれませんが、中央部分だけ、靴底の模様が無くなっていることがお分かりになりますか?
靴の底の減り方には個人差がありますが、パンプスでは中央が先に減ってしまうことは良くあります。実はこの中央だけが減っているとうことが、問題なのです。

何が起こっているのか説明2

そもそも何で中央だけが磨り減るのかというと、やや背伸びをした状態になるパンプスでは、立っているだけで指の付け根に体重が強く掛かります。

何が起こっているのか説明3

そうすると、靴底の中央部分が下に押し付けられるようになるのですが、押し付けられた先にあるのは地面ですので、常に平らに削れていくことになります。

このとき、靴底をみると平らになっているので想像しにくいのですが、靴の中は中央部分が凹んでくるため、中指の付け根を中心にして、他の足の指の付け根は反ってきてしまいます。するとますます特定の足指付け根への負担が増してしまうことがおわかりいただけますか?そして、負担の一番多い指の付けの下は薄くなっているので、地面の当たり方も強くなります。

何が起こっているのか説明4

さて、ここまでくると地面と直に接しているみたいに感じてきて、指の付け根が痛くなって来ることでしょう。この状態のまま修理に出すと、たいていの修理店では、その上から新しい素材を貼り足してしまいます。

すると、靴の中の中央が凹んだ状態は改善されていないため、指の付け根への負担が増えた状態が変わることは無く、結果として痛みが改善することが無いということになります。

対策1

では、どうしたら良いのでしょうか。
同じようなトラブルを何度も経験している方は、この話を理解してくれる修理店を見つけることです。中央が一番磨り減っているけれど、その周りもしっかり削って、厚みを整えてから新しいのを貼ってもらえれば大丈夫です。
ただし注意しなくてはいけないことがあります。
それは、あまりに減りすぎた場合、端の方をそこまで薄く削ると今度は底が靴から剥がれてしまうこともありえます。底までの削りこみは修理店も行ってくれないと思います。剥がれてしまったら修理が大変になりますから。
そのため、あまり減りすぎないうちに修理に出すことが大切です。
それに、こまめな修理を心がけて、修理店と顔見知りになれば、要望を伝えることも容易になりますし、同じ説明を何度もしなくて良くなります。

対策2

もう一つの方法としては、新しく買った靴に、初めから靴底にゴムを貼ります。
そのゴムが磨り減ったら新しいゴムを貼る修理をすることで、靴本体の底の厚みが換わらずに済みます。

悪い対策

逆に、やってはいけないパターンは、靴の中に既製品のパッドなどを入れることです。
ちょうど良く凹みを埋めてくれるような形状の物は、私の知る限りではありません。
対策のつもりで前だけ中敷を入れる方がいらっしゃいます。

絵で見ていただくと分かるとおり、結局のところ中央に凹みが出来ていることは変わらず、クッション性は出たけれど、痛みは変わらないというケースがほとんどです。

子供の外反母趾について相談されました

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10歳の男の子のお母さんから、子供が外反母趾なんだけど、どうしたらいいのかという相談がありました。
そのときにお話しした内容と、せっかくなので、中学生以上の子供の足についても追加して説明しています。

成長中の足で大切なこと

私が成長中の子供の足で大切にしているのは、足がきちんと機能しているかどうかです。
機能しているかどうかのチェックは、素人では判断できないと思いますので、専門の人に見てもらう必要があります。
インソールと靴の店ルッチェでも行っています。
今すぐ足のチェックを予約する

痛みも足の機能低下もない場合

すぐには何もしない

中学生以下で、外反母趾であっても足の機能低下も無く、痛みもないのなら、その時点では特に何もしません。(中学生以上の子供の場合は、下の方を読んでください)
その場合、その子にとっての靴選びの注意点を確認し、靴選びには気を使っていただきます。
大切なのは、いつ機能が低下してしまうかもしれないので、定期的なチェックが必要だということです。

足のための習慣をもとう

足の機能の低下を家チェックするのはちょっと難しいでしょう。ですから、足に痛みがないかを聞くだけでいいです。そのかわり、一緒に出かけるときや、玄関で靴を履くとき、脱ぐときなどの思いついたとき、こまめに足に痛いところやいつもと違うところがないか聞いてあげましょう。
難しいことをする必要な無くて、ただいつも気にかけて、聞く習慣をつけてください。
子供にしても、急に言われても答えられないと思いますが、日常的に聞いてあげるようにすると、本人も考えるようになります。そうすると、普段と違うところがあれば教えてくれるようになります。そして、痛いだけではない変化も聞き出しやすくなるはずです。

足に痛みや機能低下がある場合

対処が必要

次に、痛いところや、機能低下がある場合は、対処が必要です。
その場合には、皆さんにインソールの製作をしていただいています。
他のこともするのですが、それらは人によって違います。
インソール製作は全員に共通してお願いしています。

機能低下した足にインソールが必要な理由

子供という早い時期に外反母趾という変形があって、さらに機能の低下があるわけですから、先ずは構造をサポートしてあげる必要があります。そのためのインソールです。
インソールを使うことで構造が適切に保たれると、足の機能も回復しやすいです。
特に子供ですと、それだけで改善する場合もあります。
インソール以外には、足の運動や、全身のバランスのための運動、ナカメ式足指バンドというちょっと変わったバランス調整法も必要に応じて使います。

中学生以上の外反母趾の場合

痛み、機能低下は無関係

今回は相談が10歳の男の子だったので、靴のサイズがどんどん大きくなる場合の話しをしましたが、中学生頃になると、靴のサイズは成長しなくなります。
靴サイズの成長が止まったら、痛みや機能低下がなくても、インソールによる構造のサポートは行った方が良いです。

中学生以上では無条件でサポートが有効な理由

縦の長さは伸びなくなり、靴のサイズは安定しますが、成長が終わってしまったわけではありません。骨や関節がしっかりとしてくるなどの面では成長が続きます。足自体が出来上がっていくこの時期に、アーチのある足の形を足に覚えさせるために、痛みや機能低下が確認できなくてもサポートを行った方が良いのです。
足の成長が完全に終わると、衰えがはじまります。その前に出来ることをしておくというわけです。

中学生まで待つ理由

なぜ靴のサイズが変わらなくなるまで待つかというと、靴のサイズが変わるとインソールも作り変えなくてはいけないからです。サイズが違うインソールを使うことは足に悪影響を与えかねません。
足に痛みも機能低下もないのに、靴のサイズが大きくなるのに合わせてインソールを作り続けることは、金銭的にも結構大変です。
ですから、靴のサイズが大きくなる、縦方向の成長が止まった後、足の骨格が完成するまでの5から8年を利用して、足の成長をサポートしようというわけです。
もちろん、作り変えは必要ですが、2年に1回くらいで良いでしょう。

まとめ

子供の外反母趾は、成長の過程でもあるので、痛みや機能低下が見られない場合には様子を見る。
痛みや機能低下が見られる場合には構造のサポートと機能の回復のための対処をする必要がある。
足の長さの成長が止まり、靴のサイズが変わらなくなったら、インソールを使って足の成長をサポートするほうが良い。

機能低下とは?(補足説明)

ここで言っている足の機能低下というのは、足の運動機能の低下のことで、足の動きが不十分な状態です。
からだの動きに合わせて、足も動きます。このときの足の動きが不十分な場合を機能低下と言っています。
どういう風にチェックするかというと、歩くことを含めて、立って活動している間に、足がどのように動いているかということを見るのです。
知識と経験が必要なので、ご自宅で確認するのは難しいです。

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靴のつま先に傷ができたら専門店に相談の前にやってみよう。靴磨きのセットはお持ちですか?簡単なお手入れをご紹介。

持ってきた状態

つま先を傷つけやすくて、いつも白っぽくなっちゃうんですが、きれいになりますか?
踵の修理やつま先の軽い底剥がれの修理にお持ちになった方が、思いつめたように相談されます。踵を修理しても、つま先が傷のままだったら嫌ですからね。

擦れ傷なら靴墨とブラシで
そんな時、ルッチェでは、靴磨きのクリームとブラシ持ってますか?って聞きます。
何故かというと、たいていの場合、それできれいに傷を隠せちゃうからです。
もちろん、深い傷や、特殊な色の場合など、ちょっと自分で簡単にというわけにはいかないこともありますが、黒や茶であれば、結構目立たなくなるものです。

ブラシにワックスを付けて、30秒ほどこすっただけ
ブラシにワックスを付けて、30秒ほどこすっただけ

とても簡単にきれいになります。
少なくとも、踵の修理のタイミングまで待って、傷があるまま専門店に持っていくまでの間履き続けているよりも、自分でちょっとやってしまった方が早いと思います。

靴磨きセットを活用しよう
靴磨きのセットは、あるけど使っていないという方がとても多いことに驚きます。
いまいちどう使っていいのか分からないのだそうです。
画像にあるような大きなブラシの先の方に、ちょんちょんとワックスを付けて、キズを含む広い範囲に大きくブラシを動かしながら靴を擦ります。
ブラシが新しい場合は、ワックスをブラシでこするようにして、ブラシの方にワックスを付けてください。
何度かブラシがけをするうちに、ブラシの方にまんべんなくワックスがついてきますから、そうなったら、先の方にちょんちょんとつけるだけで大丈夫です。

簡単な靴磨きを知りましょう
靴磨きというと、布で磨くイメージや、つま先と踵を光らせなきゃいけないとか、思うかもしれませんが、ブラシだけで十分にきれいになります。
仕舞い込まずに、どんどん使ってほしいと思いますし、持っていなかったら、黒と茶の、平べったい缶のワックスタイプとブラシ2つだけでも持っておくととても便利ですよ。
靴もキレイでいられますし、防水スプレーよりも断然防水効果があります。

簡単靴手入れにオススメのクリームは
ちなみに、液体の塗るだけのタイプや、瓶に入った柔らかいタイプのクリームもありますが、画像のような擦りキズの積み重ねでは、平べったい缶に入ったワックスタイプが、手軽に使うならオススメです。