子供の外反母趾について相談されました

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10歳の男の子のお母さんから、子供が外反母趾なんだけど、どうしたらいいのかという相談がありました。
そのときにお話しした内容と、せっかくなので、中学生以上の子供の足についても追加して説明しています。

成長中の足で大切なこと

私が成長中の子供の足で大切にしているのは、足がきちんと機能しているかどうかです。
機能しているかどうかのチェックは、素人では判断できないと思いますので、専門の人に見てもらう必要があります。
インソールと靴の店ルッチェでも行っています。
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痛みも足の機能低下もない場合

すぐには何もしない

中学生以下で、外反母趾であっても足の機能低下も無く、痛みもないのなら、その時点では特に何もしません。(中学生以上の子供の場合は、下の方を読んでください)
その場合、その子にとっての靴選びの注意点を確認し、靴選びには気を使っていただきます。
大切なのは、いつ機能が低下してしまうかもしれないので、定期的なチェックが必要だということです。

足のための習慣をもとう

足の機能の低下を家チェックするのはちょっと難しいでしょう。ですから、足に痛みがないかを聞くだけでいいです。そのかわり、一緒に出かけるときや、玄関で靴を履くとき、脱ぐときなどの思いついたとき、こまめに足に痛いところやいつもと違うところがないか聞いてあげましょう。
難しいことをする必要な無くて、ただいつも気にかけて、聞く習慣をつけてください。
子供にしても、急に言われても答えられないと思いますが、日常的に聞いてあげるようにすると、本人も考えるようになります。そうすると、普段と違うところがあれば教えてくれるようになります。そして、痛いだけではない変化も聞き出しやすくなるはずです。

足に痛みや機能低下がある場合

対処が必要

次に、痛いところや、機能低下がある場合は、対処が必要です。
その場合には、皆さんにインソールの製作をしていただいています。
他のこともするのですが、それらは人によって違います。
インソール製作は全員に共通してお願いしています。

機能低下した足にインソールが必要な理由

子供という早い時期に外反母趾という変形があって、さらに機能の低下があるわけですから、先ずは構造をサポートしてあげる必要があります。そのためのインソールです。
インソールを使うことで構造が適切に保たれると、足の機能も回復しやすいです。
特に子供ですと、それだけで改善する場合もあります。
インソール以外には、足の運動や、全身のバランスのための運動、ナカメ式足指バンドというちょっと変わったバランス調整法も必要に応じて使います。

中学生以上の外反母趾の場合

痛み、機能低下は無関係

今回は相談が10歳の男の子だったので、靴のサイズがどんどん大きくなる場合の話しをしましたが、中学生頃になると、靴のサイズは成長しなくなります。
靴サイズの成長が止まったら、痛みや機能低下がなくても、インソールによる構造のサポートは行った方が良いです。

中学生以上では無条件でサポートが有効な理由

縦の長さは伸びなくなり、靴のサイズは安定しますが、成長が終わってしまったわけではありません。骨や関節がしっかりとしてくるなどの面では成長が続きます。足自体が出来上がっていくこの時期に、アーチのある足の形を足に覚えさせるために、痛みや機能低下が確認できなくてもサポートを行った方が良いのです。
足の成長が完全に終わると、衰えがはじまります。その前に出来ることをしておくというわけです。

中学生まで待つ理由

なぜ靴のサイズが変わらなくなるまで待つかというと、靴のサイズが変わるとインソールも作り変えなくてはいけないからです。サイズが違うインソールを使うことは足に悪影響を与えかねません。
足に痛みも機能低下もないのに、靴のサイズが大きくなるのに合わせてインソールを作り続けることは、金銭的にも結構大変です。
ですから、靴のサイズが大きくなる、縦方向の成長が止まった後、足の骨格が完成するまでの5から8年を利用して、足の成長をサポートしようというわけです。
もちろん、作り変えは必要ですが、2年に1回くらいで良いでしょう。

まとめ

子供の外反母趾は、成長の過程でもあるので、痛みや機能低下が見られない場合には様子を見る。
痛みや機能低下が見られる場合には構造のサポートと機能の回復のための対処をする必要がある。
足の長さの成長が止まり、靴のサイズが変わらなくなったら、インソールを使って足の成長をサポートするほうが良い。

機能低下とは?(補足説明)

ここで言っている足の機能低下というのは、足の運動機能の低下のことで、足の動きが不十分な状態です。
からだの動きに合わせて、足も動きます。このときの足の動きが不十分な場合を機能低下と言っています。
どういう風にチェックするかというと、歩くことを含めて、立って活動している間に、足がどのように動いているかということを見るのです。
知識と経験が必要なので、ご自宅で確認するのは難しいです。

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秋になると足が痛くなったという方が増えます

9月中旬から10月になると、足が痛くなったという相談が増えます。
話しを聞くと、相談に来た方の多くに共通しているのが、夏の間はサンダルを履いていたということです。

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サンダルは、足を押さえている部分が少ないため、普段の靴よりも足が自由で開放された状態になり、楽で快適だと感じます。
その反面、足を押さえる部分が少ないということは、不安定な状態であるともいえます。
不安定さを抑えるためには、筋肉ががんばって働かなくてはいけません。

筋肉はがんばらなくてはいけないのに、楽だと感じるのは不思議だと思いませんか?
そう感じてしまう足は、機能的に少し弱っている可能性があるのですが、ほとんどの人がそうであるため、たいていの人にとっては、楽だと感じることでしょう。
では、なぜ楽だと感じるのでしょうか。

サンダルとは対極にあるといっても良い、男性ものの、カチッとした新品の革靴を想像してみてください。

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新品でまだ底が固く、甲の革もしっかりとした、サイズぴったりのこの靴を履いたら、足は自由に動けそうにありません。
足を行きたい方へと動かすことが出来ないと、全身が窮屈感を覚えます。人によっては、想像しただけで窮屈感を覚えるのではないでしょうか。

一方で、履き古した靴だと、足に馴染んでとても楽だと言います。しかし、この場合の足に馴染んでというのは、「馴染んだ」状態を通り越して、「くたびれた」状態です。足のクセが完全に靴にうつっていて、足の行きたい方に行くように靴が変形しています。

このように、足が自由に動けるようになると、身体全体が開放されて楽に動けるように感じるのです。

さて、本題の秋になると足が痛くなる理由です。
足が自由に動けることで、一時的には楽になったように感じるのですが、一方で、足の自由度が下がっても、靴によって支えられることで、負担が軽減されていたところにも負担が掛かってしまいます。それによって負担の掛かりやすい場所に負担が掛かり続けてしまうところから、その部位を傷めてしまうことが一つ。
もう一つは、足が自由な状態で歩き続けることから、足が行きたいほうへ動くクセが強くなってしまいます。そのクセが残った状態で靴を履き、動きが制限されることで痛みが出てしまうケースが多いです。これによって、足以外の場所にも痛みが出てしまうことがあり、靴のせいで痛くなったのだということに気づかない人が多いです。

夏の間に足についたクセを、サンダルから来るに戻る前に抜いて、秋の靴に戻ったときに、足が痛くなるのを予防しましょう!

ルッチェにて、足の状態チェックとクセを抜くことが出来ます。

プロフィール

靴職人@村山孝太郎

鍼灸師から靴職人へ。鍼灸学校在学中、鍼灸治療では対応できない骨格へのアプローチとして、インソールが有効だと知る。自分の治療の手助けになればと思い、インソールについて学ぶが、インソールの入れ物である靴の知識の必要性を強く感じ、卒業後、鍼灸師として働く傍ら靴作りを学び始める。
その頃は、休みの日はもちろん、仕事が終わった後も、寝る間も惜しんで靴を作った。作業場だけでなく、自宅の布団脇にまで道具を持ち込み、連日ほこりにまみれたまま眠った。靴作りのおもしろさ、奥深さにすっかり魅了され、靴職人として働くことを決意。
鍼灸師として働くことを辞めて手製靴メーカーに就職する。同社主催の靴学校にて講師を務める中で、ドイツの整形外科靴マイスターと知り合う。もともと靴を学び始めた目的である、インソール製作はもちろん、整形外科靴製作と、その設計思想を本場で学ぶチャンスだという思いを抑えられず、単身渡独。その人物の紹介を得てミュンヘンの整形外科靴工房に入る。すでに靴作りも出来、足に関する知識もあったが、同じ靴でも考え方が異なり、手順が異なるとこうもやりにくいものかと初めは苦労した。しかし、新たな技術を学ぶことはたまらない喜びであり、毎日未知の技術、知識との新鮮な出会いだった。
ここで学んだこと全てを活かして仕事をしたいという想いから、自分の店を持つことを決意し、2007年、東京、上野桜木に靴とインソールの店rutsch(ルッチュ)をオープン。

独立後、顧客の相談を受け、その悩みの原因について考えるとき、靴作りの知識もドイツで学んだ整形外科靴の知識もそのままでは役に立たないことに落胆。それだけでは、既存の靴店などで行われていたことの寄せ集めだったと気づく。実際に役に立ったのは、鍼灸師として身に着けた知識と、治療家の目線で全身を見ることだった。
そこで、足の問題と全身の状態のつながりを明確にしてから、靴作りやドイツで身につけた技術と知識を使って対処するとうまくいく。そして、自然とそれが自分のスタイルとなり、どこに、どう対処するのか、これまでなかった方法が色々とうまれた。
このことを広めて足に悩む人を減らしたいという思いから、足と靴の学校R.F Academyを設立。靴が人々の健康にもっと身近にかかわることが出来るような仕組みづくりを目指す。